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野口久美子の研究室便り

海獺さんのお話から「ウィキペディアと図書館とワタシ」を考える

2018/03/19

先日3月10日に開催しました図書館科目交流会に来校・オンラインにて参加された皆様、ありがとうございました。既に下山先生から交流会開催の報告がUPされていますが、遅ればせながら私からも今回の交流会の企画に至った顛末と当日のこと、そしてこれからのことをまとめさせていただきます。

*参考:【参加御礼】図書館科目交流会を開催しました。:下山佳那子の研究室だより(2018-03-12付)https://www.yashima.ac.jp/univ/sp/blog/shimoyama/2018/03/post-4.html

*参考:図書館科目交流会を開催します:野口久美子の研究室だより(2018-02-09付)https://www.yashima.ac.jp/univ/sp/blog/noguchi/2018/02/post-10.html

 

今回の交流会についてはオンデマンドを月末まで公開しております(在学生、卒業生対象)

eLYログイン後、画面左上「本日開講の授業説明会など」⇒□受講確認教室「教室」⇒画面左下「教材」⇒図書館科目交流会(3/10)[2018/03/10] をクリック

 

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2016年に野口が八洲に着任して以来、児童サービス論(S)の受講者からの要望を受け、受講者交流会を開催してきました。どうせなら授業では扱えないことを共有する場にしようと、オンラインビブリオバトルをやってみたり(バトラーは来校者、投票はオンライン参加の方も交えて)、東京・学校図書館スタンプラリーに参加した方から見学した学校図書館について紹介していただいたり、ニュージーランドに留学していた方から滞在先の図書館についてプレゼンをしてもらったり…といった具合に半年に一度のペースで場を設けてまいりました。

そんななか、八洲もはじめてポスターセッション出展の形で参加した図書館総合展で最近流行りらしいウィキペディアタウンの話が聞けるらしい、との噂をかぎつけ、恐る恐るレクチャー会場に出向きました。そこで出会ったのが、今回ゲストスピーカーをお願いした海獺(らっこ)さんでした。その時点での野口の認識は、恥ずかしながら「何故、情報の真偽が疑わしいと言われるウィキペディアを皆で編集しようという怪しげなイベントが図書館界で流行っているのか」という程度のもの。ウィキペディアとウィキペディアタウンの第一人者が話すみたいだから、どんなもんだか聞いてやろうか、と出かけていったところ、まんまと海獺さんのファンになってしまい、「これは本学の学生さんにもぜひ知ってもらわねば」と下山先生、赤山先生にも「なんか面白い人がいたからお招きしませんか?」とご相談をし、海獺さんにウィキペディアのお話を交流会でしてもらうことになったわけです。

 

ここからは交流会が終わって1時間後(!)に感想をメールで届けて下さったIさんの感想を引きながら、私なりに海獺さんのお話をどのように受け止め、今何を考えているのかを綴ってみたいと思います。

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さて、さきほどの、交流会での海獺さんのお話、とてもよかったです。
企画いただき有難うございました。

ワタクシの中にあった、Wikipediaに対する誤解や偏見が、解けたような気がいたします。
レポートを作成する際に、wikipediaからの引用は御法度と、幾度となく注意書きで見ましたので、なおさら、「ワルモノ」のイメージが増幅しつつありました。しかし、今日のお話を伺い、イメージや情報が一新されました。目からウロコっていうんでしょうか!開眼したというのでしょうか!

ティラノサウルスを使ってのお話など、とてもわかりやすかったですね。また、後半のスライドの「ウィキペディアの編集になれると」以後の赤字で書かれていた点は、とても参考に、そして勉強になりました。

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ウイキペディアと図書館は非常に親和性が高い
そのココロは、というあたりの解説はじめ、

ネットリテラシーがアップ
情報リテラシーがアップ
地元の価値を再認識する
世代間の交流が生まれる
生涯学習の成果のアウトプット

そして、
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調べ物をするという習慣が身につく
地元資料の有効的な活用
  ↓
図書館の本来の使われ方が浸透する
図書館司書のレファレンス能力向上
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は、「図書館科目交流会」としての、本日のクライマックスかなと思いました。

ワタクシも、以前から編集してみたいなぁとは思ってはいましたが、なかなか手が出しずらく、read onlyでした。
地域活性化、地域づくりにもつながる可能性があるということがわかりましたので、ワタクシも編集にチャレンジしたいと思ってきたところです。

でも、まだハードルが高いですので、八洲学園大学の教養講座の専門科目あたりででも(公開講座でもいいですが)開講していただけないかなと思った次第です。
やはり一人だとなかなか辛いところがありますよね。チームで、練習してから、チャレンジ、となるのでしょうか。ワタクシの職場の中でできないか、考えてみたいと思いました。

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Iさん、ありがとうございました。ここに触れてほしかった!というポイントを的確に突いてくださり、感謝します。

 

私がまずグッときたのは、ウィキペディアというものが壮大なロマンに支えられているという点です。「ウィキペディアは、信頼されるフリーな百科事典を、それも、質においても量においても史上最高の百科事典を目指して、共同作業で創り上げるプロジェクト」(by海獺さん)であると。なんて格好いいのでしょうか。これまでに人類が得てきた叡智を百科事典という形で集積、構築、公開するという一大構想に(やる気とちょっとした時間があれば)私達も貢献し得る、ということと受け止めました。

ただ、フリーで誰でも参加できるからといってなんでもアリではない。ポイントは「信頼される百科事典」を創り上げる、という点にあります。この「信頼される」ことを目指すという点において、図書館と非常に親和性が高い、というわけなのですね。今回、司書科目を学ぶ学生の皆さんに最も気づいてほしかったのがこの点です。ここに気づいてもらって、はじめて今回「図書館科目交流会」という文脈の中で、ウィキペディアの話をしてもらったのかをご理解いただけるのかな、と思います。Iさんがおっしゃる通り、まさにここが今回の海獺さんのお話のクライマックスだったと思います。


さて、今回、在学生・卒業生の皆さんにウィキペディア、ウィキペディアタウンというものに触れていただきました。ウィキペディアは史上最高の百科事典を目指して、共同作業で創り上げるプロジェクトです。「有り難いものを作っていただき、感謝します」で終わってはもったいない、と野口は思っております。

Iさんのように、ウィキペディアには散々お世話になっているから、編集やらというものにいっちょ噛んでやろうか、という方はどのくらいおられるでしょうか。あるいは、ウィキペディアタウンとやらに参加してみようか、とか、自身の勤務先の図書館でウィキペディアタウンとやらを開催してみようか、と思った方はいらっしゃるでしょうか。


今回の交流会はここからがスタートです。

図書館に関心があり、ウィキペディアってすごいと思ったあなたとワタシで出来ることを考えませんか?

とはいえ、Iさんも感想の中で率直に述べられている通り、ウィキペディアの編集というものはなかなかにハードルが高そうだ、ということも海獺さんのお話からわかりました。一人では無理でも、皆で助け合えばなんとかなるかもしれません。海獺さんも快く助けてくださると思います。

本学の「eラーニング」「様々な経験や知識をお持ちの方が全国(世界)各地にいらっしゃる」という特色を生かした取り組みが出来れば…と密かに野望を抱いている次第です。できるところからやってみたいな、という方が他にもいらっしゃいましたら、ぜひ野口あるいは下山先生、赤山先生までお知らせいただければと思います。

 

長くなりましたが、全国各地(札幌、岩手、京都、島根…etc.)から来校くださいました皆様と、エキサイティングなお話をしてくださった海獺さんにこの場を借りて、改めてお礼申し上げます。

 

当日の交流会の様子(事務局・佐藤絢さん提供) 

この写真から「海獺」とはなんぞや、とさらに疑問を深めた方はぜひオンデマンドをご視聴ください。

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