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 みなさんあけましておめでとうございます。子年の今年もよろしくお願いします。

例年になく雪の少ない札幌です。7日より雪祭り会場に雪像用の雪運搬が始まりました。運搬は自衛隊がやっているのですが、少雪のためきれいで雪像に適した雪を確保するのに四苦八苦のようです。おまけに昨今の燃料代の高騰によるコスト増なので、遠方からの運搬が多くなるといつも以上の出費となる事から、自衛隊はどう捻出するか悩んでいます。温暖化の影響はこういう所にも出ているんですよ。
 今年の雪が少ないかもと思った出来事があります。それは札幌の街路樹に多い『ナナカマド』の実です。その幹を炭にしようとしても、七回かまどに入れないと炭にならないからという説もある『ナナカマド』ですが、秋になるとたわわな実をいっぱい付けます。ある人にいわせると、その実の付け方により豪雪、少雪、温暖、寒波がわかるそうですが、私も最近何となく分かってきました(何となくですよ)。そこから思いますに、今年の実入りは少なかったので、そんなに厳しくない冬だろうと思いましたら、やはりそうでした。ところで、ナナカマドの実がなったあとどうなるかご存じでしょうか。じつは鳥たちの冬の間の食料になります。しかも鳥たちは食べ頃の実を知っていて、一緒に並んでいても食べられている木と食べられていない木が存在するのです。鳥たちはその時期を見計らって食べているのです。車でいつもの道を移動していると、ある日突然実が無くなっているのに気がつくのです。鳥たちの本能というのは本当にすごいものがあります。誰に教えられることもなく、その事をすでに学んでいるのです。
 私たち人間の幼少期にも本能が最大限引き出されていることがあります。よく言われることですが、人としての準備です。話したり、動いたり、ものをつかんだり、五感が形成されたり、運動機能が洗練されたりなどなど、いっぱいあることを誰に教えられることもなく、子ども達は自分たちで獲得しているのです。学者はそれを「お仕事」とか「遊び」とかという表現をしますが、その行為を通して人としての能力を洗練化しています。
 しかし、その獲得するための子ども達を取り巻く環境に異変が起きています。工業化の波です。音は電子的なものがあふれかえり、電池が無くなると無意味な音程の外れた音を容赦なく耳に届けます。動きを伴わなくてもいろいろな仕事がボタン一つで操作出来てしまいます。トイレしかりです。おもちゃはほとんどがプラスチック、ポリエチレン製で表面は「ツルツル」しています。五感の洗練をしようにも、五感を刺激するものがどんどん自然なものから離れている生活が主流になってきています。そのため、どんどん動きが鈍感になっているような気がします。
 だからといって不便な生活をしなさいというわけではなく、改めて子ども達にとって必要な環境はどういうものなのか、考える必要はないでしょうか。ちょっと見渡せば、本物を味わえるものが、それほど高くなく手にはいるのではないでしょうか。大人の便利は子どもにとっても楽であるが、本来獲得しなければならない動きの獲得の未発達さを助長するだけではないかと思います。教育に促成がないのと同様、本能の獲得にも促成はありません。少子化で子どもが少ないのではなく、子どもが育つ環境に日本はなっていないということの現実を表しているのではないかと最近思います。


前鼻 英蔵  Eizo Maehana

1968年12月17日生まれ
東海大学海洋学部水産学科水産資源開発課程卒業、札幌大学大学院経営学研究科修了
学校法人西野学園理事長


 
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