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学生の就職戦線は昨年に続き今年も厳しそうである。世界経済は、各国の財政刺激策と金融緩和政策により、「100年に一度の金融危機」からは脱しつつある。しかし、財政赤字や保護貿易主義の台頭などのリスクを内包しており、持続的な安定成長は期待出来ない。人口減少・少子高齢化により、容易に内需拡大が想定出来ない日本経済は、より脆弱性を露呈している。その中、日本企業はグローバルな生存競争を生き残るため、コスト削減や技術革新、新商品開発に真摯な態度で臨んでいる。優秀な人材の発掘もまた、重要な先行投資であり、競争に勝つための大事な経営戦略である。採用の目が厳しくなるのも当然の帰結となる。
では、学生は必死に戦う企業の要求に充分に応えるだけの技能を身につけて、就職戦線に臨んでいるのだろうか。 日本企業がグローバルな視点で展開する中、学生は依然情報の鎖国状態にあり、自分たちが置かれている立場を充分に理解していないのではないだろうか。 今や企業が求める人材は、バーベル型である。超優秀なトップ・エリートか、低賃金でも何かの夢を抱いて前向きに働く従業員である。この両端に居る人材には活躍の場が広がっているが、凡庸な人々には就職機会がなかなか巡ってこない。さらに、門戸は海外の学生にも開かれている。日本企業の海外移転が進む中、日本の学生の競争相手は国内だけではない。また、1989年のベルリンの壁崩壊以降、これまでの社会主義国の学生達も手強い相手となってきている。これが現実であり、これを直視し自らを鍛え、バーベルの両端の塊にならなければ、ボーダーレスな世界では生き残れない。
戦後、日本が高い経済成長を遂げた要因の一つとして、労働者の教育・倫理・道徳感の水準の高さが挙げられる。日本経済が迷走している今日、長期的視野にたった教育政策が景気回復の近道であり、就職内定率の向上に役立つものと思われる。昨今、「弱者救済論」を誤用・悪用する風潮や結果平等主義を吹聴し競争を悪とする考えがある。徒競走のゴール手前で走者全員を整列させ、ゴールテープを同時に切らせる社会には未来がないことを、歴史は証明している。
学生諸君には、苦言と受け取られそうだが、来春の就職に向けて就活で悪戦苦闘する我が家の長男への叱咤激励と聞き流して欲しい。息子には逞しく、そして人生を謳歌して欲しいと望むだけである。 |