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vol.17「参議院選挙が終わって思うこと」
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 7月11日に参議院選挙があり民主党が大敗しました。原因の一つに消費税発言がありましたので、税の専門家として少し消費税について述べてみたいと思います。

 平成22年度税制改正大綱の第3章4に消費税については、三党連立政権合意において、「現行の消費税5%は据え置くこととし、今回の選挙において(衆議院選挙のこと)負託された政権担当期間中において、歳出の見直し等の努力を最大限行い、税率引き上げは行わない」との方針を示しています。・・・消費税のあり方については、今後、社会保障制度の抜本改革の検討などと併せて、使途の明確化、逆進性対策、課税の一層の適正化も含め検討していきます。となっていて菅総理大臣の発言の仕方については問題があると思いますが、税制改正の基本的な考え方は正しかったと思っています。

 わが国の消費税は「日本型付加価値税」と称されており、諸外国の付加価値税とは整合性がない部分もあると考えておりますが、中小零細企業を相手に仕事をしております税理士としては事務負担が軽減されている制度と考えております。ただ税率を上げる前に制度として本質的に検討しておくべき点を簡単に一部述べます。つまり益税(法構成上の不備から事業者が本来納付すべき税が納付されていないもの)となっている計算方式の改善についてですが、一つは課税売上割合が95%以上の場合をプロラタ計算は行わず、全額仕入税額控除をすることです。名古屋税理士会の井藤先生の論文では大企業14社の益税を119億7600万円と試算されております。資本金1億円超の法人では1000億を超えると思いますが、このような大会社に事務負担の軽減を考慮する必要性はないと思います。もう一つは新聞報道などにもある「マンション等の建設による節税」についてです。住宅の貸付けによる収入については社会政策的配慮から非課税とされております。マンションを建築した場合は課税となりますので、この消費税の還付を受けるために、例えば飲料の自動販売機(課税売上)を設置して売上を計上し、その間に住宅家賃などが0円であれば全額還付される仕組みです。私も実際にマンション建築された方の節税として1階のテナントだけを先に入居していただき、マンションの入居を遅らせていただき税額還付を受けております。このような常識的に不合理と思われるものは早く法改正していただきたいと考えております。

 消費税で強い財政を実現するような事を言っておられたと思いますが、国のあり方として「小さい政府」なのか、「大きな政府」なのかをもう一度考えてほしいと思います。自公政権、民主党政権を見ていると大きな政府で運営を考えている様にみえます。今「資本主義と自由」ミルトン・フリードマン著を読んでおります。昔にM・フリードマンの「選択の自由」も読みました。「社会的弱者を救済しよう」のスローガンには反対できないのですが、「社会が豊かになればなるほど、公的な扶助を受ける人々の数も増えている。ますます巨大化する福祉官僚機構は、国民に奉仕するというよりは、行政上の書類をあれこれといじくりまわすだけのことに大変な努力を費やしている。・・・公的扶助を受ける人の層と、その人々のために経費を払い続ける人々の層に分裂しつつある。そして公的扶助を受ける人々の方は、自分の力で収入を稼ぎ出そうとする意欲をほとんど持たなくなってしまうのである。」社会福祉システムを肥大化してゆくとフリードマンが予言しているように自らの重みにより国民生活が押しつぶされる事となります。

 税制の不備を速やかに改正していただくことと、あるべき社会の姿を考えていただき、小さな政府を目指して貴重な財源を経済成長するために集中的に投下し、規制改革、金融政策などを通じて早くデフレを脱却できる政策をお願いします。


上田 実 Minoru Ueda

1951年3月23日生れ
大阪学院大学卒業。八洲学園設置校の玉造経理専門学校税理士コース卒業。
税理士 上田税理士事務所代表


 
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