上地 佑来さん

在校生・卒業生の紹介

上地 佑来さん

今日、高校卒業できたことを機会に、勇気を出して父に会いに行こうと思います。

平成27年2月22日 卒業生代表 上地 佑来さん

動画を見る

答辞

自分は今日、八洲学園大学国際高等学校を卒業します。
自分にとって、八洲学園大学国際高等学校は2つ目の高校です。

自分は幼い頃からやんちゃしてて、悪さをしては父にボコボコにされていました。
父は沖縄拳法の師範代で、テレビに出るくらいの有名人だったから、父から受けるパンチは重くて、本当に死ぬかと思う事が何度もありました。
その度に助けてくれたのが母でした。

ある日、タバコや万引き、ケンカが一気にばれ、いつも以上にひどく、息もできないくらい父にやられました。
それでも、母だけは助けてくれると思っていたのに助けるどころか逆にやられました。
翌日、「学校に行け」と父に言われ、立つ事もやっとだったボロボロの体で登校しました。

そして、自分の体の異変に気付いた先生が警察に相談し、施設に入れられることになりました。
それから、小学校3年から5年までの2年間は親元を離れて施設で生活しました。
家に戻ってからはいつまたボコボコにされるかわからない恐怖で中学校も馬鹿がつくほど真面目に頑張りました。

中学卒業後の高校の進路も父に決められ、逆らえず、言われたとおりの高校に入学しようとしていたある日、周りの友達を見ていたら自分で進路を決めているのがうらやましかった。
それで、初めて真剣に父とぶつかりました。
もちろん、返り討ちにあいましたが、お蔭で自分の進路を自分で決めることが出来ました。

高校に入学してからは、父が単身赴任をしてめったに顔を合わさなくなりました。
たまに帰ってきた時にバイクの話をしたり、食事に行ったり、お互いの夢の事などを話すようになりました。
いつものように、大好きなバイクの話をして「今度、一緒にツーリングに行こうな」
と約束したあの日、父が車にひかれて救急車で病院に運ばれました。
ICUに入り、半年以上意識が戻らない弱った父の姿はとても見られませんでした。
一生立てない体になってしまい、事故から2年近く経った今でも父は入院しています。

まだ父が元気な頃に、「俺もまだやりたい事が沢山ある。お前も今のうちにやりたい事を沢山やっておけ。」
と言われました。
この言葉のお蔭で八洲学園大学国際高等学校に転校して、大好きなバイクに携わる仕事に就く事ができました。

しかし、自分も数か月前にバイクで事故に遭いました。
ヘリコプターで救急搬送されるほどの大きな事故でしばらく入院しました。
友人やバイク仲間からは「本当に生きてて良かった!」と言われました。
自分にも、こんなに心配してくれる人が周りにいて幸せだと感じました。

また、母は自分と父の病院を行き来し、とても迷惑をかけてしまいました。
そして、入院中に母の携帯で父から電話をもらいました。
アゴの骨も砕けてしまった父の言葉は何を言っているのか正直全然わからなかったけど、自分の事を心配してくれている事だけは伝わってきました。
あんな状態になり、他の人の心配をしているどころではないはずなのに、自分の事を心配してくれて電話をかけてきてくれた父。
父の姿を見るのが怖くてお見舞いにも行けなかった自分が情けなくなり、涙が止まりませんでした。

今日、高校卒業できたことを機会に、勇気を出して父に会いに行こうと思います。
また、将来は自分のバイクショップを持つ事が夢で、今はそのために大好きなバイクと関わる仕事をしながら貯金をしています。
実は、自分の一番下の弟が障害を持っています。
障害者雇用手当など障害者に向けた制度もいくつかはありますが、障害者が就ける仕事は作業所など限られています。
そして給料も少ないです。
だから、自分がバイクショップを立ち上げたら自分の店で経験を積ませ、将来は弟も自分の店舗を持ち、生計を立てられるようになって欲しいと思っています。
そのために、少しでも興味を持ってもらえるよう、休日は自分がバイクをいじる時に隣で遊ばせています。

そして、いつもそばで支えて応援してくれたお母さん、本当にありがとうございます。
今は感謝の気持ちでいっぱいです。
これからは迷惑をかけた分、恩返ししていくつもりです。
決められた道を進むのが嫌で逃げ出した時もあったけど、今は自分で自分の道を決める事に不安も感じています。

でも、自分は家族の為にも自分の為にも前へ進んでいこうと思っています。
今日、この場にいるみんなが、この話を聞いて少しでも「自分も頑張ろう」と思ってくれたら嬉しいです。

最後に、自分はバイクショップで働いています。
バイクが好きな人、バイクの話をしたい人、ツーリングしたい人、ぜひ、友達になりましょう!
卒業式の後にでも、声をかけてください。

今日は大勢の前で話す機会を作ってくれて本当にありがとうございました。