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浅井経子の研究室便り

いのちを大切にしてほしいと訴える学生さんのレポート紹介

2008/02/05

 ご自身が盲導犬育成のためのパピーウォーカーを経験され、またさまざまなボランティア活動をされているという、愛犬家の吉田照美さん(2005年春学期入学)が授業で発表されたレポートをご紹介いたします。

 八洲学園大学はインターネット活用の大学ですが、ゼミでは学生さんにレポートしていただき、ネット上でそれについて学生同士で議論する方法をとっています。
 「社会教育学新構想(演習)」では、社会のさまざまな事象に関わる命題をつくり、それを検証するという授業を行っています。吉田照美さんがつくられた命題と検証の一部をご紹介します。(趣旨がわかるように努めましたが、レポートの一部であることをお断りいたします。)

【命題】「飼い犬ブームはメディアが作った」

【概念規定】
 ここでいう「飼い犬」とは、家屋の内外で個人が飼育している犬を指し、検証では血統書の登録件数を取り上げ、未登録のものは除いた。「ブーム」とは、「流行」とし、「メディア」とは、口コミ、新聞、雑誌、インターネット、ラジオ、テレビ、映画等の情報媒体とする。また、「作った」という言葉については、必ずしも意図的なものを指しているわけではなく、結果的にそうなったという意味で使っている。

【検証】
 犬種の流行の推移の背景には、どのようなメディアの影響があったのか、1980年代以降を中心に、記憶を頼りにインターネットで調査した。

 30年以上前は、主に番犬や愛玩犬として雑種が軒先に飼われることが多かったが、テレビドラマの警察犬の勇姿に惹かれシェパードを飼ったり番犬としてドーベルマンを飼ったりすることが、一部のいわゆるお金持ちの家庭等で流行った。その頃、スピッツがお座敷犬として流行ったものの、鳴き声がうるさいことで倦厭されることとなった。
・1980年から1990年代前半まで漫画「動物のお医者さん」に登場したシベリアンハスキーは、ジャパンケンネルクラブの犬種別犬籍登録頭数でみると1990年は3位、1991年~1993年の間は1位、1994年には5位となり、翌年からは10位以内から姿を消している。その後2000年代にシベリアンハスキーは一度テレビドラマに登場したが、流行しなかった。その原因としては、山奥に大量に捨てられたり、ブリーダーが繁殖しすぎて殺処分したりしたことがワイドショーやニュースで取り上げられ、日本人好みの性格や特性ではないことがメディアを通して知れ渡っていたからと考えられる。
・1992年頃からゴールデンレトリバーが10位以内に入いり、1990年代半ばにピークを迎えるが、当時のテレビドラマの影響と思われる。
・1996年「ラブの贈り物」というテレビドラマで放送され、ラブラドールレトリバー人気が始まる。翌年にも続編「ラブの贈り物2」が放送される。
・1999年若い女性盲導犬ユーザーのテレビドラマが放送され、ラブラドールレトリバー人気が継続される。
・2001年「盲導犬クイールの一生」が出版されベストセラーに。これもラブラドールレトリバーの話である。2003年にはテレビでドラマ化、2004年には映画化され、ラブラドールレトリバー人気は小型犬ブームに押されつつも、ランキング10位以内を維持した。
・2002年8月から2006年4月まで、消費者金融のCMでチワワが登場し、1996年頃に若者に人気の歌手が飼っていることで火がついたチワワブームに拍車をかけた。超小型チワワを繁殖業者が開発し、小さいチワワをテレビや雑誌で珍重して紹介したため、さらなる流行の継続を続けている犬種である。
・トイプードルは、アイススケーターが飼育していることをメディアが取り上げたために流行し、ティディベアの形に毛を刈り込むことが一昨年から流行った。

【結論】
 上記の結果から、次のようなことがいえるように思われる。
(1)漫画や週刊誌、小説、テレビドラマや映画などの様々なメディアの影響を受けて、人々は犬に興味を持つ。意図的なものとはいえないが、犬のメディア露出が増加すると、その犬種が流行する傾向がみられる。
(2)流行が始まると、さらにメディアは取り上げるようになり、流行をより助長する傾向がみられる。
(3)流行後に悲惨な運命を辿る犬をメディアが伝えると、再びその犬種がメディアに登場しても流行の再燃は起きない。
 これらから、飼い犬ブームはメディアが作ったと言えるであろう。

【まとめ】
 500gサイズの超小型犬ブームは、現在メディアが助長している。それらはハスキーのように山に捨てられることはなくても、近親交配させたり小型化させたりするために虚弱体質になり、飼われてもすぐに死亡することが多い。そのようなブリーディング(繁殖)と飼い主のモラルの欠如は、日本の社会の一端を反映しているように思える。
 欧米では血統書付きの犬はブリーダーから親犬を見て子犬を飼うし、ブリーダー自身も飼い主の飼育環境、経済状況、家族構成などがその犬種に適しているかを判断して売るようにしており、皆が犬の命を考えている。もちろん、近親交配はもってのほかである。
 もっとメディアは、日本人の犬の買い方、飼い方が見直されるような番組や雑誌での特集などをつくってほしいものだと思う。
【主な参考資料】
・内閣府「動物愛護に関する世論調査」http://research.goo.ne.jp/database/data/000620/
・ジャパンケンネルクラブ「犬種別犬籍登録頭数」http://www.jkc.or.jp/info/registeration.html
・「ペットビジネスの『知られざる現実』」ZAITEN、2007年12月1日号

 いのちを大切にしてほしいという吉田さんのお気持ちを読み取っていただければと思います。しかも、吉田さんは愛犬家であるだけでなく、今年小学校に入学するお子様の子育てをしながら、若年性認知症のお父様の介護もしており、その難しい環境の中にあっても、起業というご自分の夢にチャレンジするために、意欲的に学ばれています。

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