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中田雅敏の研究室便り

福島から江戸まで五日で出府せよの命

2015/01/29

『超高速参勤交替』という映画を観た。なかなか愉快で、爽快さもあり面白さもあり、抱腹絶倒、涙する場面もあって名作と思った。映画や時代劇テレビドラマでは、悪家老や悪代官が登場する特定の藩がある。

 棚倉藩、鯖江藩、村上藩などである。なぜこれらの藩がお家騒動で揺れる藩の代表のように描かれるようになったのか。この映画を観た後に、ふと思い出したのであった。佐々木蔵之介の演じる藩主からふと思いついた。

 陸奥湯長谷藩、一万五千石の極小大名でそのうえ閉所恐怖症、小さい時に乳母に土蔵に閉じ込められたことでトラウマを患ってしまった。参勤交替の時、藩主は駕籠に乗り家老は馬で従う。しかしこの殿は閉所恐怖症であるから駕籠に乗れない。そこで駕籠には「菊千代」という愛元している猿を載せている。

 やっと一年間の江戸詰が終わって、領地の陸奥の国湯長藩に帰参した途端、再び五日の間に江戸に参れという命を下されてしまった。

 さて、ここから物語りが始まる。これは、やはり自分で見てその面白さを味わってもらいたい。福島はいまだにふるさとに帰れない方々が他郷で暮らさざるを得ない状況に置かれている。そうしたこともこの映画では含まれていることもあろう。最後に将軍吉宗が「以後永く領民を安んじ、豊かな土地で、美味なる野菜を作るよう善政をたのむ」という依頼を命じられる。一万五千石の極小大名が将軍と二人だけで盃を交わせるはずはないのであるが、これが映画というものの面白さでもある。

 ところが、陸奥湯長谷藩内藤家は関ヶ原依頼の譜大名である。本家の陸奥磐城平内藤家は下屋敷が、五街道の最後に整備された甲州街道の最初の宿場にあったので「内藤新宿」の名がついた名家である。青山通りなどもそうして名付いた通りである。

 内藤家は重清、義清、清永が家康に仕えて武功を立てた。次の代の政長が陸奥磐城平藩主となり、政長の子 忠興が二代となる。忠興の弟の政晴が陸奥磐城平藩主となり、内藤家はここで二藩となった。以後、幕末明治に到るまでの間にこの大藩が分地分封され多くの藩を立藩した。それぞれ二家の系図があるが、これを系図別に述べるやっかいなので、この二大藩から分封した大名家、藩名を記す。

 上総佐貫藩、日向延岡藩、陸奥泉藩、上野安中藩、三河挙母藩、近江長浜藩、摂津高槻藩、陸奥棚倉藩、越後村上藩、安房勝山藩、志摩鳥羽藩、武蔵赤松藩、信濃岩村田藩、信濃高遠藩である。数えて十四藩がすべて内藤氏である。譜代大名であるから、この中から老中職を務める者もある。この中でただひとつ志摩鳥羽藩は、三代忠勝が忍傷事件で除封になっている。磐城平藩、湯長谷藩を含め十五藩は明治維新まで転封などはあったがいずれも全うしている。

 これは幕府にとって恐怖の的であろう。これら十六藩がすべて内藤家であるから、一時に反逆でもされたら幕府もたまったものではない。そういう点から考えれば、いずれも譜代であるが、ひとつやふたつを潰したいと思うに違いない。それ故、棚倉藩や鯖江藩などのお家騒動もおこってもらいたいと考えるのは当然である。

 陸奥湯長谷藩は、維新まで十四代 政憲、本家磐城平藩は八代 政挙まで、近江長浜藩は九代信義までいずれの藩も無事に維新まで続いているのである。湯長谷藩は、一万五千石の極小藩ではない。七万石の中藩である。ここにも大震災以来の被災状況でいくつもの村や町が消えてしまっていることが反映されているのである。感動的な映画であった。

 ところで、こうした近世歴史研究家の磯田道史先生の「天災から日本史を読み直す」という本が出版されたので、購入した。秀吉は家康と小牧長久手で敗退した後、天正十四年五月十五日に家康をもう一度攻める準備をしていたところ、天正十三年十一月二十八日に天正大震災があり、家康攻めはなくなった。

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