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中田雅敏の研究室便り

山吹の里

2015/05/17

 私の町の隣りには岩槻市があったが、平成の合併で「さいたま市岩槻区」となった。

 貝原益軒は、貞享元年三月に江戸を出発し、日光に参詣した。その時に『東路記』を書き残した。「越谷より粕壁へ二里三十町、岩槻は越谷より三里北にあり、是また武蔵国なり。戸田山城殿居城なり、五万五千石」としてある。この地に初めて城を築いたのは太田道灌といわれている。ここに「山吹の里」といわれる場所がある。

 もっとも「山吹の里」は埼玉県越生町、早稲田戸塚一丁目、その他神奈川県、千葉県にもある。いずれも道灌に因んでいる地である。これらの地では、間もなく「山吹の花」が咲く頃に「山吹祭」が行われ、山吹に因んだ「短歌会」が開催される。それにはひとつの「伝説」あるからである。

 道灌は築城の名手と言われ、たくさんの城を作った。皇居もそのひとつで「道灌堀」が江戸城皇居内にあり有名な堀である。そこでこの伝説は各地でひっぱりだこなのである。

 若い頃に道灌が狩りに出て俄雨に降られてしまった。そこでとある賊が家に雨宿りに入った。みすぼらしい里であるのに、鄙には希な美しい娘が茶を立てて差し出た。道灌は一服し、蓑を貸して欲しいと問うと、娘は悲しそうに家に入り、裏庭に咲いていた山吹の花の一枝を剪り、盆にのせて差し出した。道灌は立腹しい城に戻って家臣に尋ねた。すると家臣は「恐れながら」と申しばかりで、一向に意味がわからず、なおも問うと家臣は「恐れながら」と申し、一首の歌を上奏した。

 七重八重花は咲けども山吹の実のひとつだになきぞ悲しき

 この歌を二度繰り返した道灌はまだ意味不明で更に問うと家臣は「山吹は七重八重の美しい花、清楚な花ですが、実が着かないのか悲しいのです。また「実の」には「蓑」がかけられています。と応えた。道灌はこの歌の意味もわからず、怒ったことを恥じ入り、その後は歌道にもはげんだのであった。この歌は『後拾遺和歌集』にある兼明親王の歌で、その後道灌は歌道にはげみ川越で歌人を集めて歌会を開いている。
 川越市役所、江戸城、には太田道灌の銅像が建っている。そのようなことにちなんで、岩槻、越生、川越、早稲田には「山吹の里」という場所があり、八重や一重の山吹の花が植栽され、美しく咲いている。間もなくこの黄金色の清楚な花が身頃とあることであろう。

 こうした逸話は偉人伝として後世に作られたものが多い。家光将軍は我儘な気質で食事もまずいといって言って食さなかった。沢庵和尚は家光を寺に泊まらせ食事を与えず五日後に麦飯と一椀とたくわん漬け三ひらの食事を出すと家光はこんなうまいものがあったのかと驚き、大根の漬物の名がないので和尚の名を付け「沢庵漬」にした。また目黒まで遠乗馬をし、そこで食した魚の焼き物のうまさが忘れられず、また「秋刀魚は目黒」が一番じゃという落語の元ネタも生んでいるのである。

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