八洲学園大学トップ > 八洲学園大学ブログ > 中田雅敏の研究室便り > メンスラゾイリーでいじめは認識可能か。
中田雅敏の研究室便り

メンスラゾイリーでいじめは認識可能か。

2015/07/31

 芥川龍之介の小説に「メンスラゾイリー」という小説がある。まずこの小説を紹介する前に、七月十五日発売のある週刊誌に「芥川賞の謎を解」という題で、綿矢りさと鵜飼哲夫が対談をしている。芥川龍之介賞という賞で文芸春秋社の創立者の菊池寛がもうけたものである。芥川龍之介は十二人の家族家庭を養うため「筆一本に命を削って小説を書き続けた」当時は原稿用紙一枚いくら、という「買い上げ原稿制」であった。当然印税などというものはない。

 それ故に毎日書かなければ毎日の生活が成り立たない。それに十二人を養うのである。それ故に奮闘努力をした。しかし、あの寅さんのテーマ曲のように「奮闘努力の甲斐もなく」三十六歳と七ヶ月でみずから命を断った。つまり自殺をしたのだった。それ以後は親友の菊池寛が芥川家の面倒を見た。同時に仲間の生活を助けてやるために「文芸春秋社」という出版社をつくり、生活の保障をしてやった。

 やがて菊池寛は、芥川龍之介の家族のために印税制度を初めてつくった。そればかりではなく、親友の二人の小説家の業績を永くたたえるために、芥川賞と直木賞をもうけた。芥川賞は未来の大小説家になるであろうと思われる人に、つまり若い書き手に、もうひとつは年を重ねる毎に名前を増やした直木三十五の名を取ってベテラン作家の賞をもうけた。直木賞は実力のある作家だから当然賞を受けた人も長く描き続けている。

 芥川賞は毎年二回芥川賞として名の知らない若い書き手が受賞しては、続々と続くわけでなく、泡沫のごとく消えてゆく。なぜなのであろう。そういうことがこの対談では論じられてゆく。つまり商業主義なのである。ゴーストライターとまではいわないが、受賞後初作品、第二作といかないのである。つまり実力作家を育てるはずの賞がその機能を果たしていないのである。泉下の龍之介はどんな思いでこのことを見ているだろうか。

 さて、龍之介も初めは「鼻」や「羅生門」などが実にすばらしい作品であったところから、あれよ、あれよ、という間に文壇の寵児となった。しかし、売れれば売れるほど書かねばならない。書けば疲れる。つかれると鮮やかな作品はなかなかできない。これを自同作用という。同じような作品を書いてみずから名を落とすことである。

 龍之介も華々しいスタートをしたが、その間、審査員も務めた。しかし自分の作品に悪評が立つと悩みはじめる。はたして作品の優劣はどのようにつけるのか。作品の選考目安はないのか、と悩みはじめる。そこで小説の上手、下手を計測できる機械があればいいと考えた。その計測器の名前が「メンスラゾイリー」なのである。そんなうまい機械があるはずはない。誠実実直な芥川は悩んだのである。「いじめを認識する機械」などないにもかかわらず「いじめと認識できなかった」と厚顔無恥な人は言っている。悩みなど微塵も感じさせない顔つきであった。芥川龍之介も文壇の先輩や、才能を発揮できないでいる仲間たちから「ひどいいじめ」を受けていた。

八洲学園大学 〒220-0021 神奈川県横浜市西区桜木町7丁目42番地

出願・資格取得について・入学前相談・教育訓練給付金等はこちら
 入学支援相談センター 045-410-0515/u-info@yashima.ac.jp

在学生・卒業生・教員免許状更新講習・就職関連はこちら
 学生支援センター 045-410-0515/u-info@yashima.ac.jp

広報・公開講座・教員への取材等はこちら
 総務課広報係 045-313-5454/u-yue@yashima.ac.jp

八洲学園大学パンフレット ※八洲学園大学の各種資料をダウンロード頂けます。

ご希望の資料はPDFでも閲覧可能です。
PDFファイルを閲覧するには、Adobe Acrobat Readerをインストールしてください。

八洲学園大学

学校法人八洲学園大学 入学支援相談センター

〒220-0021 神奈川県横浜市西区桜木町7丁目42番地
電話:045-410-0515(受付時間はこちら
お気軽にお電話ください

  • 資料請求
  • 出願受付
JIHEE