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中田雅敏の研究室便り

もののふの心映え

2015/10/30

これからの時期になると「河豚、鰤、鼈、などの鍋物」がおいしくなる。先日本学の永茂先生が「ナガモブログ、グルメ」を書いていらっしゃったので私も思いついたことがあった。昔初めて超高級と言われて「河豚鍋とひれ酒」をごちそうになった。そのときには、まだおいしいとは思えなかったのですが、今は実においしいものと思うようになったが、「それにつけても金の欲しさよ」ということで懐がさびしいのでなかなか食するわけにはいかない。鼈などは「亀鍋」でもわからないのではないかと思っても「食通、通人」にはそんな小手先騙しなどは通用しない。ひれ酒は焦げた魚を酒に浸したようで結構乙なものです。それにしてもいつも思うのだが、河豚という魚を最初に食べた人も気の毒ですが、挑戦して命を賭したのだから満足だったでしょう。

この時期は「茸」も同じですね。毒キノコを食べた人がいるから「毒がある茸と食用になる茸」を識別できるようになったのですね。この河豚と茸で何人の人が命を落としたことでしょう。そういう人の勇気ある挑戦の上に私たちはおいしいものを戴いているのですね。

しかし考えてみると「河豚の料理人」はもっと大変ですね。私の俳句に「毒少し残してくれとふくと汁」という句がありますが「毒を少し残してしびれ具合を楽しむ通人」がいらっしゃいますので、こういう人に注文されたら大変でしょうね。数年前ある歌舞伎役者の大御所がこの「毒少し残してくれ」と注文し、それでなくなってしまいました。料理人は「業務上過失致死」の罪で逮捕されてしまいました。この残し加減が腕の見せ所なんですが、そこまで修行するのが大変だったでしょうね。

勿論「河豚の料理人は特別な免許」が必要なのだそうですが、一体どのようにして修業して会得したのでしょうね。注文に応じてその都度、自分の「舌に乗せて痺れ具合」を確かめるのでしょうか。昔私が高校に勤務しているとき、茸に詳しい校長がいて、この季節になると私たちを誘って茸狩りに連れて行ってくれました。牧野富太郎博士の最後の「植物分類学」の研究者でした。これも一度経験するとたまらなくなります。「採取愛好者になる人」もあるそうです。ご自分で食べないのに「採取することがわくわくする」という方をたくさん知っていますが、私の上司の校長さんも「どうも採取専門家」だったようです。私たちにはよい案内人でしたが、ご本人は「どうも新発見種」を探していたようです。
今になって考えれば随分親切に誘ってくれましたから。その経験からかつて私は「トリカブトを煎じて嫌な上司の校長さんにお茶を入れてあげていました」校長のお茶くみは教頭の私の役目でした。この方にもずいぶんと「いびられ、いやな思い」をさせられていましたので、どうなるだろうと試してみましたがなんでもありませんでした。私が購入した鳥兜は「観賞用の無毒性の品種」だったようです。これも考えてみれば花屋さんで売っていたものでしたから、よくよく考えれば売っているはずはありませんでしたね。

さて落語家の志久はっ空宗匠(本学 渡邉達生教授の高座名)は「長屋の花見」や「柴又の財布」など面白い話をしてくれますが、昔の俳諧師は職業でしたからお弟子さんの機嫌を損ねないようこのような話をしていたようです。俳諧師は講釈師も兼ねていましたので俳句の合間に見てきたように話していたのですね。

ところで、昨日の授業でとても奥ゆかしい学生さんの話がありました。昭和59年春、福岡市で道路の拡張工事のため、開花を目前にして伐採寸前だった桜並木に添えらえた詠み人知らずの短歌の短冊がかけてあったそうです。「花あわれ せめては あとの二旬まで ついの開花をゆるし給へよ。よみひと知らず」という短冊で、せめて20日待って、最後の開花を許してくださいという哀感の漂う歌ですね。これに対して、市長からの短冊がその木にかけられていた。短冊には「桜花惜しむ 大和心のうるわしや とわに匂わん花の心は」という返歌があり、市長は道路設計を変更し、今でもこの桜は毎年春になると花を咲かせているそうです。という話でした。さすが福岡黒田藩の市民と市長さん、心憎いことをいたしますね。「もののふの心映え」をしのばせる話です。

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