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 学校教育法では、学校(幼稚園から大学まで)は国、地方自治体か学校法人しか設置できないことになっているのだが、特区により株式会社も学校を作れるようになった。その株式会社が設置した大学が文部科学省から運営に問題があると、改善の勧告を受けた。そのことで、株式会社が学校を設置することにブレーキがかかるかも知れない。しかし、このことは、この会社固有の問題で、株式会社立だからという問題ではない。学校法人立でも同様の問題が起きる可能性はある。では、株式会社立と学校法人立ではなにが違うのだろうか。
 1つに資金がある。学校法人は収益が内部留保され、教育に再投資される。一方、株式会社は税金を別に考えても、配当という形で、投資家に還元される。その分、教育に利用できる資金が減少する。配当をしないことを表明している学校設置株式会社もあるが、それは株式会社の本質を間違えている。逆に、株式会社は増資や株式公開によって、機動的に資金を調達できるメリットがある。学校法人は内部留保を除けば寄付によるしか資金を集める方法はない。教育に投資できる資金という面では一長一短なので、株式会社立が必ずしも問題とは思えない。
 もう1つの違いが、組織としての意思決定である。学校法人は理事会が最高意思決定機関で、理事は血縁関係者や利害関係者が多数を占めることを禁止している。一方、株式会社は株主総会が最高意思決定機関なのだが、株数に応じて議決権があるので、51%を一人が出資していれば、一人で意思決定が可能となってしまう。少数の株主の意思で、学校運営が左右されてしまって支障ないのだろうか? 株主が入試や卒業判定に口出ししても、株式会社立である以上、拒否はできない。そう考えると、株式会社は、株式を公開し、かつ、特定の株主が3分の1以上保有できないような歯止めが必要ではないだろうか。このようなルールが整備されれば、学生・生徒や保護者なども株主として一定の発言権を保有できる株式会社は優れた学校運営主体と成りうるかも知れない。


和田公人  Hirohito Wada

1960年3月1日生まれ
奈良県天理市出身、立命館大学経営学部卒業、
桜美林大学院大学アドミニストレーション修了
神奈川県茅ヶ崎市在住


 
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